スタッフブログ

アフターコロナの自社の姿を描いていますか?

先日、埼玉中小企業家同友会の定時総会がリモートで行われ、愛知県の自動車部品メーカー、エイベックス㈱の加藤明彦会長の講演を聞く機会がありました。ホームページを見ると、エイベックスの創業は戦後まもなくの1949年で、創業時の社名は加藤鉄工所です。その後1953年に加藤精機㈲になり、1992年からはCIを進める中で21世紀に向けた第二創業期と位置づけ、エイベックス㈱と大胆な社名変更をされています。 今年で創業72年、現在は3代目の社長のもと100年企業をめざして更なる企業変革を続けている会社で加藤明彦氏は先代の社長になります。現在の事業内容は自動車のエンジンやブレーキ、オートトランスミッションなど精密部品の加工をメインとし、建設機械の部品加工も手掛けています。 加藤鉄工所からエイベックスへ、社名とともに本業における経営革新を続けてきた歴史の中に、特に2008年のリーマンショックを契機に売上を10数億円から現在の70億円規模まで急成長させた経営戦略の考え方の中に、今のコロナ禍を乗り切るヒントがあるように思います。 創業時は家庭用ミシン部品を生産していましたが、昭和40年代には生産拠点がすべて台湾に移転してしまいます。その後8ミリ映写機の部品加工をしていましたが、それも技術革新でビデオにとって代わるようになると需要は無くなってしまいました。更に自動車業界に転換した後もブレーキ関連部品が金属から樹脂に代わり2年ほどでその仕事も無くなります。 更に今日の自動車業界は大きく変わろうとしています。カーボンニュートラルが世界的な潮流となり、エンジンもトランスミッションも不要な自動車のEV化が加速しています。しかも2030年にはEV化の割合が50%になると言われており、これからの10年でどれだけ経営環境の変化に適応して行けるかが問われていると言われます。 日頃から同友会に学び、経営指針に基づく経営を徹底することで、リーマンショックをチャンスに変えた経験を持つ加藤さんは、同友会が繰り返し言う「経営の責任はすべて経営者にあって社員の責任ではない。世の中がどうだろうが、どんな困難があっても経営者には会社を維持発展させる責任がある」という言葉の重さを問いかけます。 加藤さん自身、まさに「経営者の覚悟」ということを自分自身に問いかけながら、とにかく雇用を守ることを宣言し、人件費に一切手を付けないことを覚悟して、社員とともに全社一丸で改善活動や経営革新に取り組まれています。 経営理念と中長期の事業計画を明確にした経営指針書に全社員のベクトルを合わせることが出来るなら、必ず危機を突破できることを示してくれます。その経営指針を作るにあたり大切なことは、内外の経営環境を、強み、弱み、機会、脅威の視点から分析するSWOT分析にどれだけ多くの社員を巻き込むことが出来るかです。それはどんな逆境の中にあっても必ず存在する光を見つけ出し、社員も一緒になって新たに発展して行く中長期の展望を探し出す作業になります。 危機の「危」は危険な状態を常に察知してチャンスに変えて行くこと、続く危機の「機」を機会の「機」ととらえ、現実を直視して情報を把握・分析することです。その先に広がる自社の生存領域(ドメイン)について再検討を行いながら、手遅れにならない内に先手を打って新たな市場創造につなげて行くことが、激変する時代にあって会社が安定的に成長する秘訣になると話されます。 加藤さんは、チャンスは自分の後ろから通り過ぎて行くと言われます。コロナ禍という「危機」に揉みくちゃにされながらもアフターコロナを見据え、そのチャンスに気づいてしっかりと摑まえる感性を磨くことが、いま経営者には求められているのだろうと思いました。 今回もお読みいただき、ありがとうございました。   

「相関即因果関係の誤謬(または「前後因果関係の誤謬」)」

【サマリー】 ・法廷もの ・因果関係 ・事業再構築補助金 ・合理的で説得力がある計画 本日もお邪魔いたします。 私はいわゆる「法廷もの」と言われる小説、映画、ドラマが好きでよく観ます。 古くは、映画「アラバマ物語」や「12人の怒れる男」、邦画では「12人の優しい日本人」や「39 刑法第三十九条」など、小説・映画ではジョングリシャム原作執筆のもの、TVドラマでは「グッドワイフ」(米国版・日本版)、「ブル」と上げればきりがありません。 今回ご紹介したいのは、先ほど最後にあげた「ブル」の第3シーズンにでてきた「相関即因果関係の誤謬」についてです。 (別名、表題にもあるように「前後因果関係の誤謬」ともいわれています。こちらの方がイメージしやすいかもしれません) セリフから引用します。みなさんはどのようにこの事象を見られますか。 ・統計的にみて、スポーツ飲料をよく飲む人ほど、よく膝を怪我するらしい。だから、けがの原因はスポーツ飲料だ。 ・鉄製のヘルメットが導入されたのは第一次世界大戦。ところが頭の怪我が増えた。その原因は「ヘルメットの重さに慣れず怪我が増えた」から。 いかがでしょうか。 ちょっと考えればお判りになるかもしれません。 ・運動選手はスポーツ飲料を飲むけど、飲み物のせいじゃなく、運動するから怪我をします。 ・鉄のヘルメットで戦死者が減った。そのせいで統計的には怪我人が増えた。 (死ななくなった分、負傷者が増えた) 私たちの仕事は常に「売上が増えた。なぜだろう…」、「利益がなかなか出ない、なぜだろう…」と経営者の皆さんと考えます。 結果には、必ず原因があります。 例えば、コロナ禍において売上が増加(または減少)しました。 その際、売上は、「単価×個数」ですから、「単価が上がったのか」それとも「(販売)個数が増えたのか」という要因分析を行います。 そのうえで、さらに「なぜ単価が上がったのか」、「なぜ(販売)個数が増えたのか」を考えます。 この時、「相関即因果関係の誤謬」にハマってしまうと戦略を誤ってしまい、間違った投資をしてしまい取り返しがつかないことが起きる可能性があります。 「事業再構築補助金」という今年の目玉ともいえる補助金が発表されています。 この中に、この補助金を受給(申請)するための要件がいくつかあげられていますが、事業計画の提出が求められており、そこには「合理的で説得力がある計画」とキーワードが入っています。 事業計画作成のコツは、「客観性」です。 事業計画の作成には「認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する」という要件もあります。 審査を行うのは中小企業診断士等の専門家です。 そうした専門家の視点に対応する情報を私たち認定支援機関は広く持っていると思っていただき、一緒に「なぜ」の本当の理由を探しませんか。 自社の現状を深堀して、十分に生かされていない「強み」や気が付いていなかった「強み」をはっきりと自覚できたなら、きっとそこには「誤謬」の入り込む隙間もない計画が出来上がるでしょう。 今回もお読みいただきありがとうございました。  

ある日のコンビニで

ある日のお昼休み、会社の近所にあるコンビニにお昼ご飯を買いに行ったときのこと、 近年見るようになった商品入れ替えによる値下処分品のコーナーですが、店舗入り口から一番遠いところにあることに気づきました。 会社に帰ってお昼ご飯を食べながら考えてみると、自宅の近所にあるコンビニも全てレジから一番遠い場所にあることを思い出しました。 お店側としては、値下げ品を店頭に置いて、それだけ買われても儲からないですから、一番奥に配置することで、たとえそれ目当てで来店したお客様もレジに行くまでの間で、何か別のものに目が行き「ついで買い」をしてくれればという狙いもあるということです。 すなわち「目的買い」で来店したお客様を「衝動買い」に繋げるためにおこなっているともいえるものです。 たとえばお弁当やパン、スイーツ等やコラボ商品等販促品も同様で、その目的をもって来店したお客様に、如何に別の商品を買ってもらうかです。 それでプラスワンの売上に繋がるのです。 もう一つあります、混雑時は皆さんが並ぶのはレジ前ではないですよね? 店舗の中央列だったり、一番奥の列だったり、何か深い意味があるのでないか?とも考えました。 これは後述します。 そもそもコンビニ自体は小規模な店舗であるため、スーパーやショッピングセンターなどの大型店舗と違い、複数の人数が一定の時間をかけて店内を回遊することは少ないため、店内の雰囲気や同行者の勧めで衝動買い、というのは少ないのではと思います。 コンビニが売上増やすためには、まず来店機会を増やして客数を確保することに重きを置くことになるのでしょう。スーパーなどと違って値下げセールはほとんどしない反面、フランチャイズは本部主導の様々な販促企画などで来店客数を増やそうとしますが、来店回数を増やす努力だけでは巷にコンビニがひしめく中では限界があります。 現に立地など、様々な要因で閉店する店舗も一定数あります。要は何とかして客単価を上げていくことも大切ということです。 近所のコンビニの経営状況を知る由もありませんが、本当にちょっとしたことかも知れないけれど、フランチャイズで決められたルールのなかにあっても、いかに創意工夫をしていくかがポイントです。 それはコンビニ以外の商売であっても同様で、それぞれが過去の「あたりまえ」を乗り越えて生き残っていくために必要なことかもしれません。 追記:レジ待ち列の謎は単に店舗の設計上のことであって意味はないとのことだそうです。 今回もお読み頂きありがとうござました。   

据え置き期間の延長を申し込みましょう!

おはようございます。 昨年の年初からコロナが騒がれて、緊急融資が創設されました。 緊急事態もいつまで続くか予想もつかず、立て続けに融資が開始されました。 飲食、観光、イベント関連の事業者にとっては、特に厳しい経営を余儀なくされ、 緊急の融資を受けるのも早かったかと思います。 2020年の4月以前に融資を受けた事業者は、元金返済の据え置き期間が1年間というのが 多いかと思われます。 その後、無担保無保証無利息という例を見ない制度融資ができて、 元金返済は3年~5年の据え置きが通常になりました。 厳しい時期、早々に借入した事業者は、元金の返済が5月からスタートします。 しかし、コロナ自粛は現在でも続いている状況で、このままの状態で 元金の返済が厳しいのは目に見えたことです。 元金返済がはじまる融資については、借換を申し込むか、元金据え置きの延長を申し込むことをお勧めします。 銀行の中には、「元金返済の延長をするとリスケになって、これ以降保証協会の保証が受けられませんよ」 とか「融資が受けられなくなりますよ」などという行員もいるかと思います。 日本政策金融公庫でもリスケには応じてくれても、これからの貸付に後ろ向きになるかもしれません。 しかし、コロナで国の政策は依然として事業者を苦しめ続けています。 資金ショートしてしまっては取り返しがつきません。早急な対応をしてください。 金融庁も政府系金融機関や銀行協会等に、積極的に融資や返済猶予をおこなうことの要請をしています。 <3月9日> 中小企業・小規模事業者等に対する金融の円滑化について要請しました https://www.meti.go.jp/press/2020/03/20210309002/20210309002.html これは、政府系金融機関及び信用保証協会に対してです。 <3月8日> 年度末における事業者に対する金融の円滑化について公表しました https://www.fsa.go.jp/news/r2/ginkou/20210308.html これは、民間金融機関に対してです。 書かれている内容は、 <抜粋>  返済期間・据置期間が到来する既往債務について、  返済期間・据置期間の長期の延長等を積極的に提案するなど、  実情に応じた最大限柔軟な対応を行うこと。 以前使われて「条件変更」という文言は削除されています。 ここはどのように解釈するか金融機関によっても異なるかと思いますが、 少なくても国の見解では「据え置き期間の延長」です。 リスケと捉えてはいけないと思っています。 いま事業者が金融機関に求めることは、 □ 緊急融資で借り換える □ 据え置き期間の延長を求める                  です。               昨年4月までに借入した事業者は1年据え置きだったものが、コロナの情勢認識が変わり、 5月以降に借入すれば3~5年の据え置きということですから、厳しさをより早く察知した 4月以前に借入した事業者にも、据え置き期間交渉の余地は十分にあると考えられます。 申し込みに行って、金融機関の担当者がおかしなこと言ったら、 これらの文章をもって交渉してください。 いま一番重要なことは資金確保です。 資金繰りは最優先で取り組んでください。 今回もお読みいただき、ありがとうございます。  

 「M&Aを進めるにあたって、これだけは整備をしましょう。」

おはようございます。   大相撲三月場所が14日から滞りなく行われました。  その初日、懸賞旗のなかに「M&Aのことなら○○○」の旗があり、  ポピュラーになったものだなと感心しました。   実際、7・8年前は70代で後継者がいらっしゃらないお客様に  こちらからお声掛けをすることがほとんどでした。   それが2・3年前から高齢の方に止まらず、ある40代の方からは、  自社がM&Aした場合の株価評価の依頼が来ました。   この方は「親族はいるが、自分の後継者とする人はいない。」と  M&Aを決断されました。   また、今年に入り30代の2名の方からM&Aの相談が有りました。   内1名は会社を3年前に設立したが、自分は経営者に向いていない。  この会社を同業者の先輩に売りたいということで、そのサポート依頼の  相談でした。   もう1名は本業の土木工事業が一定安定してきたものの、  こんな時代だから異業種を立ち上げたいが、  それをM&Aで探してみたいとの相談でした。   以上のように、後継者不在の経営者に止まらず、また年齢に関係なく    ご自身の、これからの選択肢として、活用するのに値するものとして、  M&Aが評価されて来ているようです。   ところで、この間、売主様の株価評価を含めたM&Aの買収監査を  していくなかで強く感じることは、M&Aを進めていく上では 株式・財務・労務の健全性が欠かせないということです。   具体的には、設立から現在に至るまで株の変遷が洩れなく辿れること。   財務において、B/S・P/L項目其々の根拠が全て明瞭であること。   労務において、各種社会保険や雇用関係のコンプライアンスが  整備されていること。   他にも求められる事は有りますが、ポイントはコンプライアンスと  透明性です。   以上については売主様に止まらず、これから事業を引き継ぐ買主様に  ついても求められます。   こういった自社の整備を進めていくことで、売主様にとっては事業  継続のスムーズな移行に、また買主様にとっては新たな事業計画の  効率的な推進に繋がります。   以上が、事業と雇用を守って新たな発展に繋がり、売り主様には  ハッピーリタイヤに繋がる、   中小企業のM&Aを成功させるカギとなるものです。   ご参考になれば幸いです。今回もお読みいただき、  ありがとうございます。