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照ノ富士の優勝から学ぶこと

 今年の大相撲7月場所から早や1か月経ちますが、この場所を制した奇跡の優勝力士を皆さん覚えているでしょうか。5年ぶり二度目の優勝杯を手にしたのは元大関の照ノ富士関です。何が驚くと言って、彼はケガや病気で一度は序二段という落ちるところまでトコトン落ちた、ある意味で「過去の力士」だったと言っても過言ではない存在でした。それが今回は前頭17枚目、要するに幕内の一番下、幕尻から優勝を果たすという大復活劇を見せてくれたわけです。

大相撲の番付を調べてみました。幕内は、もちろん横綱を筆頭に、大関、関脇、小結、そして前頭筆頭から17枚目まであり、続いて十両、幕下、三段目、序二段、序の口とあります。定員は幕内が42名、十両が28名、幕下が120名、三段目が200名、そして序二段、序の口には定員がないということです。余談ですが私たちが普段「そんなの序の口」と言ったりするのも相撲用語なのですね。

 この中でいわゆる関取と呼ばれるのは十両以上で、幕下以下は力士養成員ということになり、給料は出ないし、部屋に住み込みで経済的にも自立をしていないため結婚も許されないそうです。ところが十両に昇進すれば月額でなんと100万円以上の給料が支払われるというのですから、そういう意味では一般人の常識とはちょっと変わったプロスポーツと言えるのかも知れません。

 それはともかく照ノ富士は、右膝靱帯損傷、左膝半月板損傷、そして十両に陥落した頃には糖尿病に腎臓結石、C型肝炎とまさに全身ボロボロの状態だったそうです。2018年夏場所を9敗6休で負け越し、ついに関取の座を失うことになります。師匠の伊勢ケ浜親方に何度も引退を申し出たものの「引退する、しないに関わらず、まず病気を治せ」と説得され、元大関のプライドを捨てて現役続行を決意することになったそうです。

 照ノ富士はかつて力任せの相撲を武器に強気一辺倒の発言から「ビッグマウス」と言われたようですが、優勝インタビューによれば、今場所ではとにかく慎重な取り口を意識し「支えてくれた人たちに恩返しがしたい」と、一番一番に集中して向かっていったようです。大関から序二段まで落ちて幕内に返り咲いたのは史上初めてのこと、当然ながらそうした関取が優勝するのも史上初の出来事です。

 私たち中小企業の経営者が照ノ富士のこの復活優勝から学ぶことは何なんでしょう。どんなに親方から説得されたとはいえ、やっぱり本人が相撲を諦めない決意をして治療に専念したこと、そして身体を治した後はとにかく基本に立ち返って地道な稽古を繰り返し、こうして周りのみんなを幸せにしたことではないでしょうか。

 どんな世界であっても持続させることを辞めたなら、また挑戦することを諦めたなら、もう二度と支えてくれた人たちに本業で恩返しすることは出来ません。改めて自分一人の力で今があるのではないことに気づくこと、そして守りと攻めのタイミングとバランスを考えることの大切さを思います。

 このコロナ禍にあって、観光産業やコンサート・展示会などを支えるイベント業界、飲食業界など、本当に厳しい状況にあります。せめてあと1年、医療や科学の力を信じて我慢していくなら、また光が見えてくるかもしれません。

 今回の照ノ富士の復活優勝に勇気をもらい、支えてくれている人たちの存在を信じ、そして自社の存在意義を信じて、ぜひ頑張って欲しいと思います。そしてまたこの時代に、そんな気力を失わない経営者と共に、第一経営相談所は存在していかなければならないだろうとも思います。

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