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中小企業にも公的資金の資本注入を

 

コロナ緊急事態宣言が長引くなか、雇用調整助成金、持続化給付金などの施策がとられています。しかしここまで世界の経済循環がストップしてしまうと、この程度の支援策があっても、これまで同様に雇用を続け、経営を維持して行けるとはとても思えません。いま多くの中小企業は体力の限界を感じつつあるというところかも知れません。

 

資金面での政策支援として、日本政策金融公庫をはじめとした無利息・無担保融資が行われています。ただ無利息と言っても3年を過ぎれば基準金利の1.11%や1.36%が付くものですし、なによりも返済し続けることに自信が持てず、融資の申込みを躊躇している企業や小規模事業者もあります。

 

そこで最近、私が注目しているのが、立教大学名誉教授の山口義行氏が主張されている「永久劣後ローン」という中小企業へ資本注入するスキームです。これはかつて金融不安の時に政府が金融機関に対して行った公的資金注入と基本的に同じ考え方です。

 

この「劣後ローン」というのは返済を求めない貸付というもので、それが「永久」というものです。その代わり利息として仮に年4%にするなら、25年で貸付の回収が出来るというもので、その間に業績が回復し体力が十分になれば、いつでも返済することも出来るという仕組みです。また返済がなくても「永久」に金利が払い続けられるというものです。

 

これを地域の金融機関が間に入り、更にその債権を政府と日銀が「買取機構」をつくって買い取る形を提言されています。国がダイレクトにならず、間に金融機関が入ることで、日頃からそれぞれ地元の企業との付き合いで構築された信頼関係が目利きとしての役割を果たしてくれることになると言われます。

 

また仮に利率が2%なら回収するのに50年必要となりますが、その企業が事業承継を含めて、雇用をはじめ地域経済へ果たす貢献を考えれば、企業が無くなることよりもはるかにメリットが大きいと言われます。こうした思い切った中小企業支援策がいま求められているのです。

 

もっと言うなら、政府が仮にこの仕組みに10兆円の投資をして、そのうち1兆円が返済不能になったとしても、25年という長期の間の1兆円など、今この時期に企業倒産と失業者があふれた場合の社会保障負担と比較するなら、全く問題にならないものと言えるのかも知れません

 

こうした動きを反映してか先週20日の新聞に、大企業や中堅企業だけでなく、中小企業にも数百社を対象に、官民ファンドを活用した資本注入を検討しているという記事がありました。一歩前進というところですが、しかしこの緊急事態にあって、わずか数百社といったレベルではなく、ぜひもっと規模を広げた中小企業への支援策として検討をしてもらいたいものです。

 

まだまだ「中小企業への永久劣後ローン」というスキームが、経営者の間でも知られていないのが実態かと思います。こうした仕組みがあることを広めていくこと、そして中小企業と雇用、地域経済を守るための世論が大きくなることが急がれているという思いで、ここに紹介させていただきました。

 

山口義行名誉教授の解説動画ほか

https://www.smallsun.jp/smallsun_news/ronkou/entry-3158.html

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